1 未生花形
花の理念である「体」と、花術である「用」と、そして花形という「相」でもって、体用相応した未生の花が生まれる。ここでは花形という「相」について述べていく。
未生流の花形には、三つの基本形がある。天円を現すところの円相体(内用)、地方を現すところの方形体(松竹梅・おもと七五三の一株扱い)、そして天円地方の和合を現すところの三角形の鱗形(三才格・五行格)である。このうち三角形の鱗形には、陽性である立姿・半立姿、また陰性である横姿・半横姿があり、花の形態によって鱗形も変化するものである。そして花の姿も三体九姿と多様な姿を現す。
三角形の鱗形の応用形としては、七曲・華やかな用流し・遠山・書院・生け登しがある。七曲とは、体流し・体後添流し・体前添流し・用流し・用添流し・控流し・留流しの七つの曲のことである。さらに、変形のものとして、分性体(飛用・飛留・送り添・地水火)がある。
花の出生をしっかりと捉えて、未生という形には見えないものを花形として移しとる。未生とは形があって形がないものである。よって、花の形にとらわれ過ぎることのないように、ただそれらの形というものを感じることが大切な事であると言える。