9 分性体
分性体とは二つ・三つと花矩の部分が分離して、全体で一つの花矩を構成する挿け方である。このとき分離した花矩の間には一定の美妙な空間が生じ、各々は分離するものの互いの性が通うようにして挿けるものである。
この分性体には「飛用」「飛留」「送り添」「地水火」の四種類のものがある。用の格が、体と留の格から分離して二株となるものを「飛用」という。そして、留の格が、体と用の格から分離して二株となるものを「飛留」という。また、「送り添」は体後添と留の格が、体と用の格から分離して二株となるものである。
「地水火」は体・用・留と分離した三つの格がそれぞれ一株となって、全体で三株となるものである。草木は「地水火」という三光、つまり大地と水と光の恵みで育っていく。分性体の「地水火」は、この三光の恵みに想いを寄せて挿けるものである。