18 木賊刈込み 挿け方
木賊刈り込みの挿け方は、数多くの木賊を使い、また切り株も加えて、刈り込まれた木賊の情景を移しとるものである。木賊を刈る老人が、別れた愛児の好きだった小歌曲舞を舞った後に、偶然にもその子と再会する能「木賊」などがあるが、木賊といえば刈り込みを連想する。
先ず「体を虚実にして挿花の法に揉める」と伝書にある。木賊は直立する出生をもつが、この自然の姿を揉めて虚を加えた姿にするのである。しかし、大きく揉め過ぎて、木賊の直ぐなる出生の美を摘み取ってしまわないように、虚の中にも実なるところを残すことが肝要である。
一方で、出生の直きところは、用と留に使って挿ける。これは木賊の自然の出生を生かすもので実の扱いである。また木賊を刈り込んだ後に出来る切り株を加える。この切り株は陰陽二株を用いるものとする。ひとつは体と用の間に挿けて、先を斜めに刈り込む。そして、もうひとつは留のところに使って、先は平たく刈り込む。切り株を一つ使うときは留に、また三つ使うときは体用留それぞれに用いることもある。木賊の若芽があるときには、株を分けて若芽を使い木賊の出生を現すこともある。
また、花器は水盤・広口などの据物を用いて、木賊の主株は広口の定法のところ、すなわち天石に配するところに挿ける。木賊の応合いに使う花としては、四季それぞれに麗しい時節の草花を添えて使う。水陸分けにして杜若・河骨などを応合ったりと、応合いの草花を加えて数株に分けて挿けるものである。