19 伐竹に旬応合 挿け方
 伐竹を二本使うときは、長い陽の竹には三節二枝を備えて、体と用の枝をとり、その先を大斜に伐る。また一方、短い陰の竹には二節一枝を備えて、留の枝をとり、その先を平に伐る。このとき、竹の大斜の切り口が、平の切り口と向き合うように調和して挿ける。これは注連の伝の竹の挿け方に準じるものである。
 また伐竹を三本使うときは、長い竹に四節二枝を備えて、体の枝をとり、その先は大斜に伐る。次に、中の竹に三節二枝を備えて、用の枝をとり、その先は中斜に伐る。また、短い竹に二節一枝を備えて、留の枝をとり、その先は平に伐る。この長中短の三本の竹を姿よく調和して挿け、これに旬の花を二本応合って挿ける。
 竹の葉には、「魚尾」「金魚尾」「飛雁」の三通りのものがある。体にはこの三通りの葉が平均して付き、用には金魚尾の葉が多く、そして留には魚尾の葉を多く備える。このようにして、陽気の移り変わりを示すのである。
 花器は広口などの据物に三才の石を飾り、竹は天石に挿け、また人石・地石には旬の花を応合って挿ける。竹の種類は何でもよく、旬の応合いの花としては四季それぞれ趣きのあるものを挿ける。ただ応合いに挿ける木物も草物も、花車つまり華奢なものを選んで使うものとする。また花車な旬の花を揉める時は特に注意して、徐々になめらかに曲げて揉めていくことが大切である。この旬の花が細くて非常に長いものであれば、竹よりも高く使うこともある。