4f 茶席 香席の花
「茶席の花の心得」として、茶席に挿ける花は、挿花の法格を正しく守って、姿小さく閑静に挿ける。閑静(閑性)の花とは、控えめに出た枝に強さをもち、花葉が少なく風流で、また枝葉が自然なものである。白梅・白菊・蘭などの匂いの花を挿けた時には、香を焚いてはならない。また、床脇の風呂先には、火の気で凋んでしまわないような花を挿けるものとする。三重棚の上に花を挿けるときには、一輪挿しで花を挿けたり、また一花三葉・一花七葉と葉組みにして挿ける。
次に、「香席の花の心得」として、香道は香をたいて楽しむ芸道で、茶道と同じく室町時代の末期より行われ、また文学と結びついて成長したものである。この清浄な香を焚く香道の席には、茶席の時と同様に派手な花は挿けない。また香りのある花を挿けることは避け、とにかく閑寂なこころでもって花を挿けるものである。