4g 会日役席 免許披露会席の花
 「会日役席の花」として、挿け花の会での役席・幹部の花は、先ず床の第一座に最も上位の秀でた花を置く。そして次に第二座の床脇、そして第三座の巻頭、第四座の巻軸、第五座の中央の順に置くものとする。玄関は第一座である主人の名代として、第三座に相当する上位の花を置く。玄関に数多く置くときは、玄関中央を役席とし、その左右に花を配するものとする。
 床に二瓶置くときは、陽である明かり口の方が上座、そして陰である床柱のほうが下座である。三瓶置くときは、中央が第一座、明かり口のほうが第二座、そして床柱のほうが第三座である。床がなく一文字の席であれば、中央を第一座とし、次にその左右の巻軸を第二座、いちばん端の左右を第三座、左右それぞれの中央を第四座とする。
 会日においては、役席の者は全体に心を配り、悪しきところがある花は、挿けた者と話をして直す必要がある。また、無免許の人は、伝承花を公開の席で挿けてはならないので、初心の人には麗しい花を花材として与える。以上の席を定め、花を割り振る行いは、秀逸の席に花を挿ける第一座の者がする。とにかく、口論が起きないように心を配ることが大切である。 
 次に、「免許披露の会席の花」として、免許披露の会席は免許を受けた者を披露する席であるので、他に上位の免許を持つものがいても、免許披露される者が挿けた花を第一座の床に置く。そして免許を三方に載せて、床に挿けた花の脇や違い棚のほうに飾る。この三方は、神仏または貴人に供物を奉り、儀式で物を載せる台である。方形の折敷(おしき)を檜の白木で造ったもので、前・左・右の三方に刳ってあけた穴である刳形がついているものである。