5f 夜陰挿花の心得
「夜陰挿花の心得」として、夜には花を外して、また暗い中にあっても見やすい掛物に掛け代えるものとされている。しかし、客からの要望があって夜陰に花を挿けるときは、開花のものを使うことなく、蕾を多く使って、また半開のものを混ぜ合わせて挿けるものである。というのも、花は陽気に連れて満開を見せ、陰気に連れて凋むものであるからである。ただ、葉物などは昼夜の変化が少ないので、これを夜陰に用いてもよいとされている。また、燈火によってできた影に禁忌の見切りがでてはならない。とにかく影の移ろいにも気をつけ、花葉がしっかりと見えるように挿けることが大切である。