15 その他道具
 花を指南するのに用いる指竿は、師範代以外の者は用いてはならないとされている。准会頭は黒房の指竿、会頭は萠黄、総会頭以上は紫、そして家元は白房と定められている。四つの節目をもつ指竿の全体の丈は、二尺八寸(約八五センチ)であり、房は三寸(約九センチ)である。
 花名札の寸法には五種類ある。初級中級の花名札は、長さ九寸・幅二寸・厚さ四分八厘。奥伝以上会頭までは、長さ一尺・幅二寸・厚さ六分四厘。准総会頭は、長さ一尺二寸・幅三寸六分・厚さ八分。総会頭以上は、長さ陽の目一尺・幅陽の目二寸八分・厚さ一寸。家元用は、長さ一尺六寸・幅四寸八分・厚さ一寸二分と定められている。
 花盆は、その寸法を、長さ陽の目一尺二寸・幅一尺二寸・高さ一寸二分・縁板厚さ四分八厘・中隔厚さ三分とする。向かって左上には布巾と花留を置き、そして左下には鋏を置く。右には、高さ二寸四分の花枕を使って、花を風流に置き合わせるものとする。水次盆の寸法は、角に切ったものは四方が七寸と定められている。
 掛花器を使うのに用いる垂揆は、その寸法が三通りある。丈四尺八寸・板厚二分八厘の大きなもの、そして丈陽の目二尺八寸・厚さ二分四厘の中のもの、また丈三尺六寸・厚さ二分四厘の小さなものの三通りである。この垂揆は、板の中央に長い切れ目があり、掛釘を上下自在に据えることができるようにしたものである。 
 花衣桁は、御所方の御装束を掛けていた衣桁を、挿け花として用いたものである。花衣桁に挿ける花は、五種また七種と取り合わせ、錦の衣装を掛けたような美しさをもつように挿けるものである。また花衣桁の花器は、釣器・掛け花器・置き花器と用いるものである。